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2021年12月13日
弾性塗料のメリット・デメリット
弾性塗料をご存じでしょうか?外壁塗装を検討中の方は耳にしたことがあるかもしれませんが、その特徴やメリット・デメリットまでは分からない方が多いかと思います。
そこで今回は弾性塗料についてご紹介していきたいと思います。
弾性塗料とは
弾性塗料とは2液性のシリコンやフッ素塗料に硬化剤を入れて伸びる機能を持たせたものです。高い伸縮性があり、ひび割れに強く防水性に優れた塗料です。
主にひび割れしやすいモルタル壁で使用されます。
メリット
伸縮性が高く、ひび割れしにくい
外壁は家の前を通る車や地震、雨風の振動で動きます。そして外壁に塗っている塗料が外壁の動きについていけないとひび割れを起こします。
しかし、弾性塗料のように柔らかく、伸縮性のある塗料を塗っておくと外壁の動きに合わせて伸縮してくれるのでひび割れが起こりにくくなります。
防水性が高い
弾性塗料は外壁に密着する性質を持っています。塗料と壁が密着することで、雨水が内部に浸透しにくくなり、防水性が高まります。
モルタル外壁の劣化を防ぐ
モルタル外壁は右の画像のような外壁で、ひび割れやすいです。
そのため、弾性塗料とは相性のいい外壁と言えるでしょう。
デメリット
耐用年数が短い
弾性塗料の1番のデメリット耐用年数が短いことです。
耐用年数は工法によっても変わってくるため、長期的に考えて選ぶようにしましょう。
膨らみやすい
弾性塗料は通気性が低く、湿気を外側に排出できないために起こります。さらに、一度膨らんだ塗膜は元に戻らないので見た目が悪くなってしまいます。
汚れが落ちにくい
弾性塗料は塗膜が柔らかいため、一度汚れが付着すると落ちにくくなります。外壁は常に雨風に晒されて汚れやすいので、外壁の色によっては検討しなければいけません。
施工が難しい
弾性塗料は専門的な知識や技術が必要です。外壁塗装を行う前は高圧洗浄を行い、乾燥後に塗装を行いますが、完全に乾燥してないまま塗装をしてしまうと塗膜が膨らむ原因になります。業者をより慎重に選ばなければいけません。
弾性塗料の工法
弾性塗料には3つの工法があります。
単層弾性工法
単層弾性工法では、シーラーと呼ばれる下塗材を塗った後、単層弾性上塗塗料を2回塗る方法です。単層弾性工法は費用が安く、施工時間も短いですが、弾性や防水性が長持ちしません。
そのため塗り直しの回数が多くなり、長い目で見るとコストパフォーマンスは悪くなります。
複層弾性工法
複層弾性工法は下地を塗り、高弾性塗料を2回、仕上げの塗料を2回塗る方法です。複層弾性工法は弾性や防水性が長持ちし、耐用年数が長くなります。
その分、施工時間と費用もかかるようになります。
微弾性塗料工法
微弾性塗料工法は、弾性塗料を使った工法の中で1番メジャーな方法です。微弾性フィラーと呼ばれる下地を塗り、上塗用の塗料を2回塗る工法です。弾性があるのは下地のみで、上塗用の塗料ではシリコンやフッ素系などの一般的な塗料を使用します。
下地の弾性はそれほど長持ちしませんが、上塗材を塗っていれば塗膜は外壁を保護できるため、単層工法のように頻繁に塗り替える必要はありません。
注意点
サイディングボードには使用不可
サイディングボードとは、仕上げ用の板を外壁に貼る方法です。工事費用が抑えられるため、最近はサイディングボードを用いた外壁が主流になっていますが、このサイディングボードには弾性塗料は使用できません。
サイディングの外壁は熱を吸収しやすく、表面が熱くなります。すると弾力性が発揮されず、弾性塗料を劣化させてしまいます。また、窯業系サイディングになるとひび割れが起こりにくいため、微弾性塗料を塗る必要はありません。
悪徳業者に注意
弾性塗料は少し複雑な工程が多いため、手抜き工事が行われることがあります。例えば、塗料を薄めたり、厚塗りすべきところを厚塗りしないことがあります。
これらは塗料缶の搬入数と空になった塗料缶の数を見積と照らし合わせて確認することで防ぐことが出来ます。
また、塗料缶に微弾性や弾性の文字が入っているか確認しましょう。弾性塗料を塗ったように見せかけて一般塗料を使用し、弾性塗料並みの工事費用を請求してくる場合があります。
まとめ
弾性塗料はひび割れが多い外壁にとってはぴったりの塗料です。
耐用年数が短いなどのデメリットもありますが、塗料の種類や施工方法などでカバーできる問題もあります。
モルタル壁の住宅の方は弾性塗料の使用を検討してみてはいかがでしょうか。
カテゴリ:外壁