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2023年6月5日
塗装工事でできること・できないこと
外壁・屋根塗装はどんどん進化しており、それにより様々なことが可能になりました。例えば、汚れにくい家にできる、涼しいもしくは暖かい部屋にできる、など塗料の選定次第で実現が可能です。
耐用年数や機能の向上など塗料に求められる品質はどんどん上がっています。そのことからか、「塗料の能力」を拡大解釈している方が多いように思われます。残念ながら、どのような高性能・高機能の塗料であってもお住まいすべての問題を解決することはできません。
そこで今回は塗装工事でできること・できないことをご紹介していきたいと思います。
塗装工事でできること
まず、外壁塗装をすることでどのような効果が得られるのでしょうか。美観を保つために行うと考えている方がほとんどだと思いますが、それ以外にも塗料によってたくさんのメリットがあります。
①防水機能の回復
住宅に使用される屋根材や外壁材(サイディングなど)は工場から出荷された際や現場で表面を塗装されることによって塗膜ができ、雨水を防いでいます。
やがて経年劣化により、防水機能が失われると水の侵入を許してしまうようになります。これは再塗装を行うことにより塗膜が復活し、防水機能も回復されます。
②美観の維持・回復
経年劣化により、防水機能がなくなると汚れが付着しやすくなります。また、カビや藻なども生えることがあり、住宅の見栄えが悪くなります。汚れやカビ・藻を綺麗に洗い流して塗り替えれば、住宅が新築のように綺麗になり、汚れも付きづらくなります。
③遮熱・断熱機能
近年、戸建だけではなく工場や倉庫などでも使用されているが、塗装工事による遮熱・断熱効果です。遮熱は太陽光から出る紫外線を反射する効果があり、室内に入ってくる熱量を減らすことができます。
断熱は熱伝導を抑え、夏は外からの熱を伝わりにくくし、冬は暖かい空気が逃げないようにするものです。遮熱や断熱塗料を選択することによって、快適に過ごすことができます。
しかし、最初にご紹介したように、こういった塗料の効果の拡大解釈をする方が増えています。
④低汚染
製造メーカーや塗料によって、「超低汚染塗料」「防汚塗料」など様々な呼ばれ方をする塗料です。基本的に汚れが付きにくく、親水性があるので雨が降ると汚れが洗い流される仕組みを持っています。
汚れには塗膜を劣化させるものもあるので、それらを綺麗に洗い流すことによって住宅を長く綺麗に保つことができます。
塗装工事でできないこと
塗装工事の目的は「外観や屋根の防水機能を保ち、美観を維持すること」であり、その他には住宅に快適機能を付与するものです。そのため、目的外のことは実現するのが不可能になります。
①雨漏りの修理
塗装工事は建材の防水効果を保つという目的があるので、塗装工事をすれば雨漏りもしない、と解釈する方もいらっしゃるかと思います。しかし、雨漏りはシーリングの劣化や接合部、クラックからの雨水の侵入により起こります。外壁材や屋根材の補修をしない限り、雨漏りの根本的な解決にはなりません。
②エアコンがいらなくなるほどの遮熱機能
遮熱・断熱塗料で塗装工事を行うと、まったくエアコンがいらなくなる!と拡大解釈をする方が多くいらっしゃいます。確かにエアコンの稼働日数や稼働時間を減らし、光熱費削減ができる、室温を高めに設定してもしっかりと涼しくなる、ということは事実ですが、エアコンを全く稼働しないというのは認識違いです。
③クラックの補修
外壁や屋根の0.3㎜未満のヘアークラック程度であれば、弾性塗料で塗装して補修しても問題はありません。しかし、それ以上のクラックとなると塗装工事を行う前にクラックを補修しなければいけません。
クラックの上からそのまま塗装を行うと下地は何もない空間になってしまい、時間が経つと塗膜が凹んでしまいます。また、塗膜が硬化してくるとクラックが再発する可能性があり、雨漏りの心配もあります。
まとめ
今回は勘違いされがちな塗装工事でできること、できないことをご紹介しました。近年は塗料の開発が進み、機能性塗料は効果を大きく伝えられがちです。そのため高機能塗料の拡大解釈が増えているように思います。
訪問販売などでかなり話を大きくして営業をかける業者が増えているため、言葉をうのみにせず、ご自身で判断しましょう。
カテゴリ:塗装工事