ブログ
2023年9月7日
ベランダ・バルコニーの防水工事
ベランダやバルコニーは紫外線や雨の影響を受けやすいため、定期的に防水工事をする必要があります。しかし、雨漏り等が起きているケース以外は、「塗装のついでに…」という感覚で補修工事を検討される方が多く、屋根材や外壁材よりもメンテナンスの重要性が低いと思われている印象を受けます。
今回はベランダやバルコニーが劣化してしまうとどのようなトラブルが起きるのか、どのような防水工事があるのかご紹介していきたいと思います。
ベランダとバルコニーの違い
2階建て戸建住宅の場合、一般的に2階にバルコニーあるいはベランダがあります。バルコニーは屋根が無い室外スペースで、ベランダは屋根がある室外スペースのことを指します。屋根の有無もそうですが、バルコニーやベランダが住宅に対してどのように造られているのかをチェックしてみてください。
ベランダやバルコニーが外壁よりも張り出していますか?居室の上にあり、外壁から張り出していない形状でしょうか?その違いで雨漏り発生箇所によるリスクも大きく異なります。
下に居室がある場合は注意が必要
バルコニーの直下にリビングなどの居室(室内空間)がある場合、雨漏りには特に注意が必要です。理由は、バルコニーの下には建物を支える構造材があるからです。
特に2階床を支える重要な構造材が隠れています。雨漏りの水が構造材に達すると木材は腐朽をはじめ、木材の断面積が小さくなり構造耐力が減少していきます。
地震時などにより構造木材に強い力が加わり、木材が割れたり裂けたり折れたりして、建物が傾いたり、最悪の場合、建物の倒壊にいたる危険があります。
防水工事の種類と耐用年数
FRP防水
FRPとは、「繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics)」の略称です。プラスチック素材の中でも衝撃性に強く、耐水性や成形性が良いことから、ベランダの防水層だけでなく、様々な部分にも使用されています。
しかしFRPは紫外線に弱く、劣化してひび割れてしまうことがあります。耐用年数は10~15年ですが、5年に1度のトップコートの塗り替えを怠らないことが重要です。
ウレタン防水
ウレタン防水は、液体状のウレタン樹脂を塗布する工法です。材料が化学反応を起こして硬化すると、弾性のあるゴム状の防水層が出来上がります。
狭い場所や複雑な形状をした箇所でも、継ぎ目のない完全な防水膜を形成できるのが特徴です。耐用年数は10~15年です。施工にはムラなく均一に塗装をする技術が必要です。
塩化ビニルシート
塩化ビニール樹脂シートを使う場合は、既存の防水材の上から施工することが可能です。下地に直接貼り付ける「接着工法」と、等間隔に置いた円盤やディスク板に熱溶着を行う「機械固定工法」で施工するのが一般的です。
まず、塩化ビニールは紫外線や熱に強いため、耐用年数も10~20年と長いです。耐候性に優れており、強い日差しが当たるベランダやバルコニーへの施工に非常に適しています。耐摩耗性もあり、普段の生活では防水層に穴があきにくいという良さがあります。
まとめ
雨漏りは住宅へ甚大な被害をもたらすことがあります。特にベランダ等は劣化が起こりやすく、雨漏りに繋がりやすい箇所です。また、ベランダやバルコニーが外壁より外側にあるか内側にあるかで雨漏りを起こした際の住宅への影響は異なります。
どちらにしても雨がかかるスペースですので、定期的な点検とメンテナンスを心がけましょう。業者とよく相談をして、ご自宅のベランダやバルコニーに合った施工方法で防水工事を行うようにしましょう。