ブログ
2024年6月13日
塗料を外壁に塗る量は決まっている?
塗装はただ塗っているだけ、と思っている方が多いと思います。
実は、外壁塗装は塗布量が決められていて、一定の量を壁に塗る難易度の高い作業をしています。
塗布量は外壁塗装の品質や費用に深く関係します。今回は、塗布量についてご紹介していきます。
塗布量とは
外壁塗装や屋根塗装では塗る塗料の量が少な過ぎても、多過ぎても、美しい仕上がりにならないどころか、本来の性能を発揮できません。
各塗料メーカーは塗料の本来の性能を発揮できるよう、面積あたりの塗布量を各塗料の仕様書やカタログで表示しています。
これを規定塗布量と言い、1㎡あたりに使用する塗料の量として示しています。
💡1缶の塗布量
塗料によって異なりますが、1缶で約100㎡~150㎡塗ることができます。
これは、上塗り塗料を1回塗りするときの面積です。下塗り剤のシーラーは上塗り塗料とほぼ同じ面積を塗ることができます。
しかしALC、モルタル、劣化の激しい窯業サイディングなどに使うサーフェサーやフィラーなどの下塗り剤は、20㎡~50㎡程度しか 塗れないときもあります。
塗料の希釈について
塗料を水やシンナーで薄めることを希釈と言います。希釈することで塗料の粘度を調節し、塗りやすくします。
希釈できる量(希釈率)はそれぞれの製品カタログなどに記載されています。一般的な塗料は5%~10%程度がメーカーの認めた希釈率ですので、その規定量のなかで希釈する分には塗膜への悪影響はありません。
また希釈せずに粘度の高い状態の塗料で塗装作業するのも、健全な塗膜形成には不都合となることがあります。
適度な流度を持った塗料を適切な方法で塗装することが大切になります。
塗布量を守らないと…
残念なことに、塗料をやたら薄めて規定量を塗る業者も存在します。
希釈規定量を超えて希釈すると、
・塗膜の白化
・塗膜のつや不良
・塗料の流れ、ダレ
などが発生します。
途膜が非常に脆弱となり、耐用年数がくる前に、剥がれたりするなどのトラブルが発生します。
最近の塗料は性能が高いため、仕上がった直後は美しく見えますが、塗布量を守っていないと、耐用年数の半分程度しか経過していないのに急激に色褪せてきた、ひびが入ってきた、ということが起きます。
塗布量の不足は見た目では分からないことが多いです。そのため、塗料が不足していても、見た目は綺麗になるので量を誤魔化そうとする業者が出てくるのです。
対策
優良業者に依頼
上記のように、目分量でいい加減に塗り重ねたり、外壁の塗布量を減らして塗装の手間や人件費を省くという、ずさんな工事を行う悪質な業者が存在します。
こうした手抜き工事を防ぐには優良な業者に工事を依頼することが大切です。
自身で塗布量を計算
塗布量を守ってもらうために、見積もりを提出された段階で、自身で塗布量や塗料缶数を計算することも非常に有効です。
計算して、見積書の缶数や塗布量と合わないな、といった場合は塗装業者に確認をしましょう。
納得のいく返答がない場合はその塗装業者への依頼はやめておいたほうが良いかもしれません。
搬入された塗料の確認
現場に搬入された塗料を確認することもおすすめです。
見積もりは正確に出したものの、現場には見積もりより少ない塗料を搬入して、材料費を浮かせていることに気づくことができます。
まとめ
塗布量という言葉は、あまり一般的ではありません。
外壁塗装をする際に、塗布量を知っているかどうかで、見積もりの金額が大きく変わってくるかもしれません。
見積もりや契約書に書いてある面積、あの缶の数で塗れるのかな?と疑問がある場合は遠慮なく業者に聞いてみましょう。
適切な見積もりできちんとした塗装を行うためにも、必要な塗料の数量を知っておくことが大切です。
ご自身で塗料メーカーのHPやカタログなどで計算し、確認することをおすすめします。
カテゴリ:塗装工事