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2020年5月7日
失敗しないための屋根葺き替え工事
葺き替え工事を理解しトラブルを回避
葺き替え工事のタイミング
屋根材には、スレート屋根・瓦屋根・トタン屋根などがありますが葺き替え時期が決まっているわけではありません。葺き替えを行うかどうかはコンパネや防水シートの劣化状況で決まりますが、これは住人の方が判断するのは難しいと思います。
目安ですが、屋根材の耐用年数で考えられるのが良いと思います。
屋根材の種類
・瓦
瓦の耐用年数は非常に長くほとんどの家で瓦の耐久力がなくなり交換しないといけないということはありません。耐用年数は釉薬瓦で50~60年くらい、素焼きの燻し瓦で40年くらいです。屋根瓦の雨漏りの原因のほとんどは瓦の劣化ではなく、防水シートにあります。
瓦が割れたり、ズレたりしている場合はその部分だけ修繕すれば葺き替え工事を行う必要はありません。
・スレート材
スレート材の耐用年数は20年くらいといわれています。2004年にアスベストを含んだスレート材は販売禁止になったことで耐用年数は少し短くなっているでしょう。
お住まいの劣化状況から20年以上もつこともありますし、20年未満で雨漏りを起こすこともあります。
スレートやねが劣化すると水膨れのように水分を含んでしまい、屋根が常に水気を帯びている状態となります。この状態になると防水シートが徐々に劣化していき雨漏りを起こす可能性が高くなってしまいます。
・トタン材
トタン材の耐用年数は10年くらいです。最近ではガルバニウム鋼板がよく使用されています。塗装をすることで耐用年数を延ばすことができ亜鉛メッキが剥がれて銅板がさびつくまで塗装は可能です。
今まで塗装を行ったことがない場合は10年前後で見直しの時期ですので、使用した塗料の耐用年数に応じて検討してみましょう。
トタン材が劣化するとサビが広がり最終的には穴が開いて防水シートを傷めてしまいます。トタンは葺き替えよりは定期的に塗装を行うことが大切です。
葺き替えの工法
大きく分けて2つあります。
一つは、既設の屋根材をすべて撤去して新しい屋根材を設置する方法です。
もう一つは、屋根材は撤去せず上から新しい屋根材を設置するカバー工法です。
近年ではこのカバー工法を選択される方が多くなっています。
カバー工法のメリット
1)既設の屋根材の撤去を行わないので撤去費用がかからない。(2004年以前のスレート材にはアスベストが含まれているため、アスベストの処理費用が高額になる)
2)カバー工法にはガルバニウムなどの非常に軽い金属材を使用するので負担が少ない。
3)屋根材が二重になるので断熱効果や防音効果が高くなる
コンパネが腐食していますと、新しい屋根材を止めるためのビスや釘が使えない場合があります。その場合はカバー工法は行うことができず、すべて撤去をしたのちに新しい屋根材を設置する必要があります。また2004年以降でアスベストを含まない新しいスレート材もカバー工法を行うことができない可能性があります。新しいスレート材は柔軟性が少なく割れやすくなっていて工事を行う際に既設の屋根材が割れてしまう可能性が高くなってしまうためです。
瓦の葺き替えについて
瓦屋根の場合『葺き替え』『葺き直し』があります。
『葺き替え』は既設の瓦をすべて新しい瓦に新調することです。築40年~50年くらいで行うことがあります。
『葺き直し』は既設の瓦を再利用することで防水シートの劣化はあるが、瓦には問題がない場合に行います。
最近では地震による家屋の倒壊を心配して重たい屋根から軽いスレート屋根に葺き替えたいと希望する方が多くなっています。そんな中、地震に強いガイドライン工法という瓦の組み方が開発されて、すべての瓦屋根が地震に弱いわけではないと証明しています。
屋根の構造について
コンパネ⇒防水シート(ルーフィング)⇒屋根材
コンパネとは
コンパネは防水シートや屋根材を止めるための土台となり垂木の上に設置されています。コンパネが腐食すると防水シートや屋根材が剥がれる原因となります。腐食してしまうとカバー工法は行えませんので、カバー工法を行う際はチェックする必要があります。
防水シート(ルーフィング)
防水シートはコンパネの上に設置するもので雨水が家の中に侵入することを防ぎます。防水シートが劣化すると侵入した雨水により構造部やコンパネの腐食の原因となります。防水シートを交換する場合は、屋根材を撤去しなければなりません。カバー工法を行う場合は、防水シートはそのままになります。
屋根材
屋根材とは『瓦・スレート・トタン』の仕上材のことです。通常屋根材に防水機能はありません。雨が直接防水シートに侵入しないための雨除けみたいなものです。
外観を美しく整える意味合いも強いです。
ガルバニウム鋼板について
カバー工法を行う際に、多く使われているのが「ガルバニウム鋼板」です。軽量で耐用年数が長く、比較的低価格のため最近ではよく使われている屋根材です。
しかしデメリットもあります。
1.雨が降ると雨音が大きい
2.熱を通しやすく断熱に不利
3.非常に薄いため傷がつきやすい
葺き替え工事で新しく屋根材を設置する場合は注意する必要があります。
カバー工法としてガルバニウム鋼板を使用する場合は既存の屋根材の上に設置することからデメリットとしてあげられる3の項目以外は、ほぼ解消されます。
軽量で安く、耐用年数が高いというメリットがあるガルバニウム鋼板はカバー工法向けの屋根材といえます。
まとめ
今回は屋根の葺き替えについてのお話でしたが、いかがだったでしょうか?外壁と違い、自分で屋根を見るということは難しですよね。それぞれの屋根材の耐用年数を参考にして、「そろそろ一度チェックしてみようか」と思っていただければ嬉しいです。プラニング・Kでは、屋根・外壁の無料診断をしています。お気軽にお問い合せください。
カテゴリ:屋根