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2021年12月16日
軒天の劣化症状は見逃し厳禁!
軒天は屋根の裏側にあるため、雨風関係なく傷みにくいと思っていませんか?
実は軒天は傷みやすい箇所です。その理由やメンテナンス方法をご紹介していきたいと思います。
軒天の役割
まず軒天について説明します。軒天とは建物から飛び出ている屋根の裏側のことで、軒裏天井、軒裏とも呼ばれます。下図の緑で塗られているような箇所が軒天です。
雨風から外壁を守る
雨風が当たらないようにして外壁を保護する役割があります。
美観
屋根は下から見ることがほとんどです。下から見たときに屋根の下地材がむき出しだと見栄えが悪いですよね。軒天があることで下地材を人の目から隠す役割があります。
延焼防止
もし火災が発生し窓から炎が上がった場合、軒まで炎が到達するのを防ぐ役割があります。軒天が設置されていないと、短時間で炎が屋根裏に到達し、焼け落ちてしまいます。
軒天の劣化症状
軒天の劣化症状には以下のようなものがあります。
色褪せ
軒天に塗装をしている場合は、紫外線や経年劣化により塗装が色褪せてしまいます。
雨染み
屋根から雨漏りのある場合や雨樋の不具合によって軒天に伝ってしまうなど、雨水が影響してできるのが雨染みです。シミは放置しておくと軒天だけでなく屋根などの木材を腐らせてしまい、建物の強度にも関わってきます。
コケ・黒ずみ
雨染み以外にコケやカビの黒ずみも現れます。見た目も悪く、明らかに湿気がこもっている証拠なので対処が必要です。
剥がれ・穴あき
木質系の軒天だと板がささくれのように激しく剥がれたり、完全に剥がれ落ちて穴が開いてしまう場合があります。
放置してしまうと…
前述のような劣化症状を放置していしまうとどのような被害が出るか見ていきましょう。
剥がれた隙間から小動物が入り込む
軒天の剥がれたところや穴の開いたところからネズミや鳥などの小動物が入り込みます。
すると屋根裏はダニやノミ、寄生虫を持った小動物に侵され、ひどい場合だと、糞尿による健康被害が出てくるようになります。
さらに、鳥の巣に卵やヒナがいる状態での撤去は鳥獣保護法により禁止されているため、巣立つまでは撤去できません。その間は被害に耐えなくてはなりません。
雨漏りが発生
強風を伴う雨が降ると、剥がれや傷みのある箇所から雨水が入り込み、雨漏りが発生してしまいます。軒天が雨漏りをしていると、その周辺も傷んでしまい、劣化が早くなってしまいます。
強風が吹くと屋根が剥がれる危険性も
軒天が剥がれ、数十センチの穴が開いてしまうと、そこから屋根裏に風が吹き込み、屋根が剥がれてしまう危険性もあります。
メンテナンス方法
塗装
軒天の傷みが比較的軽い場合は塗装を行います。主に軒天の表面の防水性が落ちているときに行われます。表面に健全な塗膜を張ることにより、雨水が染み込まないようにし、劣化を防止します。
重ね張り
既存の軒天の上から新しい板を重ねて張る方法です。重ね張りの強度に耐えられると判断された場合、行われます。既存の軒天の材料を処分する必要もなく、工期を短縮し、費用も抑えられます。
張り替え
下地が腐食し、重ね張りに耐えられないと判断された場合に行われます。
既存の軒天を撤去し、すべて新しいものに張り替えます。
まとめ
軒天は屋根の上と違い、劣化や不具合などに気づきやすい箇所です。軒天に劣化がある場合、屋根や雨樋にも不具合が生じます。また、足場や脚立がなければ塗装や補修などのメンテナンスは行えません。少しでも軒天が気になる場合は一度業者に相談してみましょう。
カテゴリ:屋根