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2022年3月7日
塗料の歴史
外壁塗装というと近代的なイメージがありますよね。しかし塗料は歴史が古く、有史以前から使われていたそうです。何気なく塗料という言葉を使っていますが、塗料はいつどうやって生まれたのでしょうか。
今回は塗料の歴史についてご紹介していきたいと思います。
石器時代
現在の塗料は”建物を保護して耐久性を高める””色彩で建物を美しく見せる”といった役割があります。塗装の起源は‘‘ものに色を付けて美しく見せる”ということにあるようです。
人類が塗料を使ったことが確認できる最古のものは、今から1万8千年前に描かれたスペインのアルタミラ洞窟の壁画です。
石器時代に使われた塗料の原料は、動物の血液や植物の樹液などで、それに食土やすすなどを混ぜ合わせていたようです。
血液や赤土などが使用されているため、色彩が赤系の色合いが強く、茶や黒、黄色なども見られます。
自然に存在するものを描き、色を付けることは呪術や豊猟の祈願などの意味があったのではないかと考えられています。
縄文時代
日本では古くから使われている塗料として漆があります。漆塗り製品は最古のもので北海道函館市の垣ノ島遺跡から出土した約9千年前に作られたとされている土器があります。
漆は土器の接着や装飾に使われているほか、木製品や櫛などの装身品に塗られていたものも出土しています。
江戸時代
江戸時代に入ると、塗料は進化していきます。柿渋や松煙墨、ベンガラなどが塗料として使われるようになり、塗装する場所によって塗料を使い分けるようになりました。この時はまだ植物性由来の塗料しかありませんでした。
日本の建築物に西洋の塗料が使われ始めたのは、1853年にペリーが黒船で来航したことがきっかけです。
横浜に急造した商議所を洋風に仕上げるため、米国船員からペンキを譲り受けて塗ったそうです。これが日本人による初めての西洋式外壁塗装工事です。
以降、塗料は欧米からの輸入に頼り、しかも大変高価なものでした。
明治時代
明治時代に入ると茂木春太、重次郎兄弟によって塗料の国産化が行われ、1880年に亜鉛華を使った固練りペイントの開発に成功、翌年1881年に光明社(のちの日本ペイント)を設立します。
そして日清・日露戦争を背景にボイル油・固練りペイント・船底塗料・油ワニスなどが普及していきました。当時の塗料は天然樹脂製で、塗料の乾燥時間が長く、耐候性も良くありませんでした。
昭和以降
1950年以降からは強瀬樹脂を使用した塗料が導入されるようになりました。現在使用されているシリコン塗料やアクリル塗料です。こうして高品質な塗料の開発が進められてきましたが、平成になると環境対策が重要視されるようになります。
高度経済成長期のペンキには有害物質の使用や安全面に対する配慮が欠けていたことが原因です。自然環境への配慮や臭いなど住環境への配慮は各塗料メーカーにとって研究課題となっています。
まとめ
塗料の歴史を紐解くと、先人たちの努力により塗料が開発され、外壁塗装ができるようになり、今快適に過ごせているのだなと感じることが出来ます。また、縄文時代からあった漆塗りの文化が現代に残っているように私たちの身近なところでも塗料の歴史の長さを感じます。
塗料開発に携わった方たちに感謝しながら、これからもお客様に合った最適な塗料をご提案していきたいと思います。
カテゴリ:外壁