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2020年7月6日
木部塗装(木材塗装)の注意点
家の外装の大半は、モルタルやサイディングボードと呼ばれるパネルが主流ですが、温かみのある家にしたいと天然の木材を使用される方もいます。
また、家の一部分のみを木で仕上げるケースも多くあり、例えば「軒天」「破風板」「ウッドデッキ」などが上げられます。
今回は、この木部に塗装する際の注意点や使用する塗料について詳しく見ていきましょう。
天然素材だけにメンテナンスが重要
独自の風合いを持つ天然の木は、居心地の良い暖かみを伝える素材として人気ですが、木材だけが持つデメリットも多くあることから、その点をしっかり理解したうえで採用することが大切です。
木材の塗装は難しい
木材の使用にあたっては、塗装せずに放置してしまうと、紫外線や雨、風などによって汚れが生じて劣化していきます。
木造住宅で外観部分に木材をそのまま使用すると、木材はすぐに腐ってしまうのです。
そうならないためには、木材に保護塗料を塗り防腐対策を取る必要があります。
定期的に塗替えメンテナンスを施すことで耐候性を付けておくことで、木材を長持ちさせることができるのです。
木材は呼吸している
木材は呼吸をして膨張したり収縮したりを繰り返します。
木材の呼吸とは、水分を吸い込み、吐き出すという木材が持つ性質のことを指します。
木は空間が湿度が高いと、高くなりすぎないように湿度を吸い取り、空間が乾燥しているときには自らの水分を吐き出し湿度を調整してくれます。
このような木材の湿度調整機能は「調湿作用」と呼ばれ、木材をあしらった部屋は調湿作用により自動的に湿度が調整されるため快適に過ごすことができます。
外壁塗装においては、この調湿作用で生じる膨張と収縮がやっかいな問題を引き起こすことになります。
外壁塗装では、塗装することにより塗装した面に塗膜を形成します。
これは木材に塗装をしても同様で、表面の塗膜は固まりますが、湿度により膨張と収縮の動きが起きると、塗膜が剥がれたり、ひび割れを起こしてしまいます。
塗装しても塗膜がもたない
調湿作用による膨張と収集苦のため、木材に塗った塗装は長くは持ちません。
下地処理をしっかりした後の塗装でも、モルタルやサイディンの塗装に比べると木部の塗装は寿命が短く、モルタルやサイディングの塗装が10年ほど維持できるとすると、木部はその半分の5年ほどで塗膜が持たずだめになってしまいます。
木部の塗装に適した塗料
木部の塗装には、主に「木目を消してしまう塗装」と「木目を生かす塗装」の2パターンがあります。
木目を消す塗装 造膜タイプの塗料
造膜タイプの塗料とは、木材の表面に塗膜を作る塗料で、撥水性を持ち耐水性が高く耐久性に優れています。
木材の塗膜強度は強くないため、下地処理や下地塗料が悪ければ木材の伸縮に塗膜が負けてしまい、ひび割れや剥離を起こす可能性があります。
木材の伸縮する性質に対応した、弾力性の高い弾性塗料などを使うと良いでしょう。
造膜タイプの塗料は、木の木目を消してしまう代わりに、強力な保護膜を表面に形成するため、浸透タイプの塗料よりも耐久性に優れています。木目を消してもデザイン性に影響が及ばない付帯部の塗装におすすめです。
※付帯部…破風板、軒天、鼻隠し、縁台など
木目を生かす 浸透タイプの塗料
浸透タイプの塗料は、塗料が木に染み込み木の内側から保護してくれます。
木部の表面には塗膜ができないため、木が持つ質感を損なうことがありません。
ただし、浸透タイプの塗料は木の表面に保護膜が作られないため、保護膜を作る他の塗料と比べると耐久性は低く、数年に一度は再塗装をしなければ木材の劣化を防げません。
また、浸透タイプの塗料は防カビ効果はあるものの、防水効果は弱いため耐水性には欠けます。
まとめ
木は大変デリケートな素材で、木部の塗装は簡単そうに見えますが、大変難しい作業です。
DIYで塗装と考えている方もいらっしゃるかと思いますが、適した塗料を見極めるためには、熟練の塗装のプロに任せた方が良いでしょう。
木部の塗装に詳しい塗装のプロと、大切な家を腐食や劣化から守りましょう。