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2021年8月26日

簡単そうで奥深い屋根の漆喰補修


屋根の上の変化(劣化)には普段の生活では、なかなか気づかないものです。
少し離れたところから、自宅の屋根を見た時に「えっ!」ってびっくりされる方も多いようです。

漆喰は、広い屋根のほんの一部にしか使用されていないもので、業者に工事を依頼すると高いし、少しだけなら自分で何とか直せないかなと考える方も少なくないでしょう。ほんの一部分の補修であったとしても、漆喰は雨漏りを防いだり、瓦を繋ぎ合わせたりと重要な役割を持っているので、適切に行わなければ屋根全体に傷みが広がってしまいます。今回は簡単そうで奥深い漆喰の補修についてご紹介します。



自分(DIY)で漆喰の補修はできるのか?


漆喰は、粘土瓦(一般的に言うと日本瓦)の屋根に用いられます。具体的には、瓦と瓦の接着や、棟の下にある葺き土の固定や防水のために使われます。漆喰が傷んでくると、瓦がずれてきたり、雨漏りが始まったりと大きなダメージを受ける深刻な事態に発展する恐れがあります。こういった事態を防ぐために補修が必要となるのです。瓦と瓦の隙間を、漆喰で埋めるくらいなら自分で出来そうな気がすると思われるでしょうが、漆喰の補修(DIY)はオススメしません。


どうして漆喰の補修はDIYはダメなの?


DIY補修の失敗は事態を悪化させるから


漆喰補修が正しく補修されなかった場合、劣化の進行を加速させてしまう恐れがあるため、DIYはおススメしません。

漆喰の厚みでいうと、のし瓦よりもはみ出るほど厚いと、漆喰が雨水を吸い込んでしまい漆喰自体の劣化も早まります。漆喰の裏の葺き土まで水が回ってしまえば、防水のために漆喰を塗っている意味が無くなってしまいます。

また、漆喰の厚みが薄すぎるとすぐに剥がれてしまい、葺き土が直接雨水を吸い込み雨漏りにつながります。
漆喰の厚さの調整は、経験を積んだ職人でなければ非常に難しいのです。

漆喰の瓦を接着させる役割が発揮されないと、瓦や棟部分が落下してしまう可能性もあります。通行人に怪我を負わせてしまったら大変です。
DIYに失敗して事態を悪化させないためにも、屋根の専門業者に補修してもらいましょう。


屋根の上での作業は危険だから

一般住宅の2階建ての屋根の上は6m以上の高さがあります。さらに傾斜がある屋根は、足場が安定せずにとても危険です。歩きづらいうえに、元々の屋根の汚れと補修作業で出てくる砂や塵によって滑りやすくなるため、転倒、転落といった事故につながってしまうことがあります。
また、屋根材自体の劣化が重い場合には、屋根材が脆くなっているため屋根を突き抜けて落下してしまう危険もあります。


屋根の漆喰補修方法


漆喰の補修工事は、大きく分けて2種類あります。


①漆喰詰め直し工事

漆喰の劣化症状が比較的軽い場合に用いられる補修方法です。



・古い漆喰を除去する

※既存の漆喰を、葺き土が見えるまでキレイに剥がします。ポロポロと出てきた葺き土や漆喰のカスを残しておくと滑りやすく危険です。刷毛でキレイに取り除きます。

・下地を整える

※漆喰を塗り込む葺き土の面をコテなどで平らにしていきます。下地が整ったら、漆喰の密着度を上げるために葺き土をで湿らせます。


・新しく漆喰を塗り込む

※漆喰を、屋根に合わせた厚みで均一に塗り込みます。厚さを間違えると、雨漏りや漆喰の剥がれに繋がってしまうので、熟練の技が必要になります。





②棟瓦取り直し工事

劣化の度合いが重いと、葺き土を支える力が弱くなっており瓦が外れたり棟が歪んだりしてしまいます。このような場合は、棟瓦を剥がして取り直す工事になります。棟は、のし瓦冠瓦など複数種類の瓦が使用されていて、それらの瓦をまとめて棟瓦と呼びます。


・棟部分の解体

※棟部分の瓦を撤去すると葺き土がでてきます。葺き土は、粘土なので始めは固まっていますが、年月を経るとサラサラとした砂のようになってしまい、この状態の葺き土の劣化も瓦のずれに繋がります。既存のものは全て取り除きます。


・棟瓦を積む

※瓦を積むための土台作りをします。近年では、葺き土の代わりに漆喰を使用したり、漆喰と葺き土の両方を使用して土台作りをします。


・冠瓦の設置

※棟の最上部一番上(最上部)に載せる冠瓦を設置して工事完了です。





まとめ

屋根の漆喰の補修は、簡単そうに思いますが熟練した職人の技術を要します。また、屋根の上での作業となりますので、危険を伴います。自宅の屋根瓦のズレや漆喰がポロポロ崩れているのが目で確認できた場合は、自身で補修しようとせずに瓦屋根修理ができる地元の優良業者に相談しましょう。

カテゴリ:屋根

ブログ執筆者:プラニング・K

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